セルロースファイバー

セルロースファイバー(Cellulose Fiber)と言う名の由来

「セルロースファイバー」は、植物の細胞壁や植物繊維の主成分である「セルロース」と、繊維をあらわす「ファイバー」を組み合わせた素材のことを指します。
一般的に新聞を断熱材に加工したものが「セルロースファイバー」と呼称されています。
「セルロース」自体は、調湿性にすぐれた天然素材であり、リサイクルされた新聞紙などから作られており、環境にやさしい断熱材として広く利用されています。

セルロースファイバーの特徴・性質

セルロースファイバーは他の繊維と比較していくつかの利点があります。
断熱性: セルロースファイバーは優れた断熱性能を持ち、住宅や建物の断熱材として広く使用されています。
隅々まで断熱材が行き渡る: セルロースファイバーは細かくバラバラでふわふわした繊維系断熱材で、狭い隙間にも隅々まで充填できます。
これにより、隙間による熱欠損がなく、断熱性能が高いとされています。
調湿効果: セルロースファイバーは湿気を吸い込んだり放出したりする調湿性に優れています。
結露やカビの原因となる湿気対策に適しています。

セルロースファイバーの吸放湿性を実証

断熱材は地産地消の時代が始まっています

○地域の新聞で断熱材を作り地域の住宅に使う事で送料がゼロ
○断熱材の輸送過程での環境汚染(CO2の排出)がゼロ
○断熱材を地産地消とすることで地域にお金がまわり地域が活性化する

JIS制定

セルロースファイバーにJIS-A-9525が制定(後にJIS-A-9523に変更)

昭和54年に国内生産が始まり
使用量が確実に増加しつつある情報を勘案し、通商産業省工業技術院は昭和60年7月日本工業標準調査会建築部会の議決を経てJISを制定

セルロースファイバー沿革

  • 昭和15年(1940年):
  • アメリカでセルロースファイバーが初めて生産されました。
    世界初の断熱材として製造されました。
  • 昭和50年(1975年):
  • ユニ・タイセイが米国製のセルロースファイバー(モノサーム&K-13)を輸入し、事業を開始しました。
    しかし、昭和53年に自社製造を早期に撤退しました。
  • 昭和55年(1980年):
  • 十條製紙(日本製紙木材)がユニ・タイセイのプラントを譲り受け、ジェットファイバーの製造を開始しました。
  • 昭和58年(1983年):
  • 本州製紙(王子製袋)がダンパックを製造開始。
    非断熱材(セメント建材の混和剤他)の生産も兼ねています。
  • 昭和60年(1985年):
  • 紀州製紙(北越紀州製紙)がファイバーエースを宮崎県で製造開始。
    しかし、昭和63年に吉水商事にプラントを譲渡し、事業を撤退しました。
  • 平成元年(1989年):
  • 吉水商事が紀州製紙からプラントを譲り受け、福井県でファイバーエースの製造を開始。
    国内初の住宅壁乾式吹込み工法を開発しました。
  • 平成06年(1994年):
  • セルテックがハィサームを福島県で製造。段ボールをリサイクルしたセルロースファイバーです。
    しかし、平成11年にエコライフに譲渡し、事業を撤退しました。
  • 平成11年(1999年):
  • エコライフがセルテックからプラントを譲り受け、段ボールで作るセルロースファイバーの製造を開始。
  • 平成11年(1999年):
  • エコトピア飯田がエコファイバーを長野県で製造。
    製造機はフィンランド製で、新聞をすり潰す原理で作られています。
  • 平成17年(2005年):
  • デコスがデコスファイバーを山口県と埼玉県で製造。
    吉水商事の施工 代理店を経て、住宅壁乾式吹き込み工法を採用しました。
これらの歴史的な出来事が、日本におけるセルロースファイバーの普及に貢献してきました。
セルロースファイバーは、地域の新聞紙から作られた木質繊維で、地産地消のエコ断熱材として注目されています。
日本セルロースファイバー協会は、セルロースファイバー吹き込み施工を業とする企業が参集して、高い施工技術の確立とセルロースファイバー断熱材の普及啓蒙を目的に、2000年に設立されました。
↑ページTOPに戻る